キャッチコピー 例:効く一行の作り方と名作10選
要約
キャッチコピーの例が役立つのは、なぜ効くのかが見えるときだけです。キャッチコピーはロゴの横に置かれ続ける固定の一行で、スローガンは一つのキャンペーンのためのものです。強い例は、ナイキからエイビスまで、ひとつの主張を立て、立場を取り、ライバルのロゴには貼り付けられません。自分の一行を書くには、主張を一つ決め、対象を決め、30案を書き、パターンで削り、印刷前に5秒テスト、置き換えテスト、チャネルテストを行ってください。
キャッチコピーの例が役に立つのは、なぜそれが効くのかが見えるときだけです。ナイキの「Just Do It」は1988年から使われ続け、エイビスの「We Try Harder」は1962年から同じ方向を向いています。どちらも短く、立場をはっきりさせ、その周りでキャンペーンが何度入れ替わっても残りました。この記事では、長く通用する10のキャッチコピー例、キャッチコピーが担う4つの役割、そして自分のコピーを書く手順を整理します。
キャッチコピーは見出しではなく、羅針盤である
具体例の前に、数週間の議論を省く区別を一つ示します。キャッチコピーとは、ロゴの横に何年も置かれる一行です。スローガンやキャンペーンのコピーは一度の施策のために作られ、役目が終われば引退します。ナイキの一行もテレビキャンペーンの中で生まれ、ブランド全体を一人で支えられると分かってから、キャッチコピーに昇格しました。
だからこそ書き方が変わります。キャンペーンのコピーは、気が利いていて、季節に合わせ、具体的でかまいません。キャッチコピーは、新製品、新しいチャネル、新しいマーケティング責任者を経ても生き残らなければなりません。今期の見出しを選ぶのではなく、進路を決める羅針盤を据えるのです。
ブランドの解説記事の多くは、短いこと、読み手に関係があること、自社にしかないことという3つの条件で一致しています。長さについては意見が割れ、3語から7語までさまざまな数字が挙げられています。つまり魔法の数字はありません。声に出して言いやすく、競合のロゴに載せ替えにくい一行なら、長さは問題ありません。
キャッチコピー 例 10選
キャッチコピーは4つの役割のどれかを担っています。態度を示すもの、ベネフィットを伝えるもの、弱みを約束に変えるもの、カテゴリーを名指しするものです。以下は、各例の理由を添えた整理です。言葉そのものではなく、論理を借りてください。
態度を示すキャッチコピー は、機能ではなくスタンスを売ります。
ナイキ:「Just Do It」(1988年)。3語で、製品名は一度も出てきません。ランナーにも週末のサイクリストにも同じように合います。
アップル:「Think Different」(1997年)。売っているハードウェアではなく、顧客がどんな人かを描いています。
ロレアル:「Because you're worth it」(1971年)。価格の上乗せを、買い手についての宣言に変えています。
ベネフィットを伝えるキャッチコピー は、買い手が手にするものを名指しします。
M&M's:「Melts in your mouth, not in your hands.」物理的なベネフィットが一つ、競合が暗に示され、形容詞はありません。
キットカット:「Have a break, have a KitKat.」製品を味ではなく、一日のある瞬間に結びつけています。
ハブスポット:「Grow better.」2語で、ソフトウェア、サービス、コンテンツをまとめて覆い、どれの名前も出していません。
挑戦者のキャッチコピー は、自分の立ち位置の弱さを認め、それを選ぶ理由に変えます。
エイビス:「We Try Harder」(1962年)。エイビスはレンタカーで2位であり、それを隠しませんでした。この一行は弱みをサービスの約束に変えています。
エアビーアンドビー:「Belong anywhere」(2014年)。感情的な結果を売り、そのあとで製品にそれを証明させています。
カテゴリーのキャッチコピー は、初めて見る読者に、自分が何者かを伝えます。
初期のStripe:「Payments infrastructure for the internet.」率直で、適合性で判断する買い手には正確な一行です。6語でカテゴリーと野心の両方を名指ししています。
これらの例が省いているものを見てください。「革新的」「ソリューション」「世界最高水準」といった言葉は一つもありません。どれも、競合のロゴに載せるとおかしく響きます。B2Bのキャッチコピーの多くが落ちるのは、この2つめのテストです。

多くのB2Bキャッチコピーが似て見える理由
SaaS企業のトップページを10社分開くと、「○○を…するための、すべてが揃ったプラットフォーム」という同じ一文が9回出てきます。間違ってはいません。ただし、立ち位置にはなっていません。
これには3つの癖が関わっています。第一に、委員会方式です。関係者が一語ずつ足していき、最後にはすべての機能を覆うのに何も言わない一行になります。第二に、限定的な主張への恐れです。一人の買い手に向けた一行は危なく感じられるため、誰にでも当てはまるまで広げられ、誰も動かさなくなります。第三に、カテゴリーから借りた業界用語です。「シームレス」「エンド・ツー・エンド」「次世代」などです。
「すべてが揃った」型の一行は、一文で証明できない限り使わないでください。残す価値があるのは、競合が文面だけでなく製品そのものを変えなければ同じことを言えない一行です。
どの案でも使える簡単なチェックがあります。ロゴを隠し、その一行を最も近い競合2社のトップページに載せて、社外の人に「違和感がないか」を聞いてみてください。3社すべてで自然に聞こえたら、それはキャッチコピーではなく、カテゴリーの説明文です。
ゼロから書くための手順
これは、キャッチコピーを1週間以内に確定させなければならないローンチで実際に使う順序です。
1. 主張を一つに絞る。 一つのアイデアを選びます。ベネフィット、態度、差別化のどれかです。「と」が必要になったら、キャッチコピーは二つあります。まず主張を、長くて不格好でもいいので平易な一文で書きます。「私たちは、グロースチームが稼働中のキャンペーンを、走らせたままで修正できるよう支援します。」
2. 誰のためか、誰のためでないかを決める。 全員を含めようとする一行は、実際に買う人を取りこぼします。広告とメールを両方回しているグロースリーダーと、ニュースレターを一人で運営する創業者では、「稼働中のキャンペーンを修正する」の受け取り方が違います。
3. 量を書く。 判断する前に30案を書きます。不格好な案が明白な言い回しを先に片付け、使える一行は後半に出てくることが多いからです。ツールも助けになります。AIのコピーアシスタントなら1分で50案出せますが、あなたの仕事は、それを信じることではなく、選り分けることです。
4. パターンで削る。 競合のサイトに出てくる語を含む一行は削除します。説明が一文必要な一行も削ります。一息で言えないほど長い一行も削除です。
5. 声に出して読む。 キャッチコピーは通話、ポッドキャスト、商談で口にされます。あなたが言い淀むなら、顧客が同僚に伝えるときも言い淀みます。

AIが役立つ場面と、道を誤らせる場面
AIの文章作成ツールは、量には強く、立ち位置を決めるのは苦手です。プロジェクト管理アプリのキャッチコピー例を頼むと、「もっと賢く、一緒に働く」が六通りの衣装で出てきます。それは学習データの中央値であり、あなたが抜け出そうとしている当のものです。
ステップ3の広げる作業には使ってください。一文の主張、ターゲット、避けたい言い回しのリストを渡し、平易、遊び心、率直、フォーマルなど異なるトーンで50案を求めます。そのあとの選別と削除は、自分で行ってください。
Jasperのようなブランドボイス機能は、同じブランドのために複数の人が書く場合に確認する価値があります。ブランドの文体がぶれるのを防げるからです。ただし、ブランドが何を信じているかは決めてくれません。その決定はあなた自身のものであり、キャッチコピーを形づくっているのはまさにその部分です。
印刷する前にコピーをテストする
自社の会議室で生き残ったキャッチコピーは、簡単なテストを通過しただけです。安上がりな3つのチェックで、問題の大半は見つかります。
5秒テスト。 ロゴと一緒にそのキャッチコピーを、買い手と同じ属性の人10人に見せます。5秒後に隠し、その会社が何をしているかを尋ねてください。半分未満しか答えられなければ、その一行は仕事ではなく装飾をしています。ここに普遍的な合格ラインはありません。だから、テストを行う前に自分の基準を決め、それを守ってください。
置き換えテスト。 自社名を競合の名前に置き換えます。それでも文が成り立つなら、書き直しを続けてください。
チャネルテスト。 キャッチコピーは、サイトのヘッダー、メールの署名、LinkedInのバナー、名刺に載ります。4か所すべてに入れてみてください。60文字で読みやすい一行が、スマホヘッダーの20文字では崩れることがあります。

一行が通ったら、人が実際に見る場所に、毎回同じ位置、同じ書体で置いてください。ナイキの3語が当然のものに感じられる理由の半分は、ここにあります。残りの半分は、40年近く変えなかったことです。
ツールのデザインテンプレートで簡単なロックアップ(ロゴとキャッチコピーの組み合わせ)を作れば、デザイナーに渡す前に、各フォーマットでの配置を確かめられます。小さいサイズでロゴの横に収まるかを確かめる安上がりな方法でもあります。
キャンペーンに合わせる。逆ではない
キャッチコピーは固定点であり、キャンペーンはその周りを回るルートです。ローンチのメール、有料ソーシャルの配信、ウェビナーの案内は、それぞれ違って聞こえてよく、それでも同じ船からだと分かる必要があります。
実際には3つのルールになります。キャッチコピーは、どのアセットでも同じ位置に置きます。キャンペーンのコピーは自由に変えてかまいませんが、キャッチコピーと矛盾させてはいけません。そしてキャンペーンを公開するたびに、組み合わせを見直してください。キャンペーンのコピーが「最速」と言い、キャッチコピーが「最も慎重」と言っているなら、どちらかを選ばなければなりません。
ブランドキットがすでにあるなら、承認済みの一行と使用メモを、HubSpotのようなCRMやマーケティングハブに置いておくのは賢明です。火曜日のメールを予約する人が、どの版が最新か推測しなくて済みます。
実際に書くなら
今週、成長型ツールのキャッチコピーを決めるなら、抽象的なベネフィットの一行は飛ばし、「すべてが揃った」型の主張も飛ばし、買い手が上司に繰り返し伝える一文を書きます。それから、一息で言える長さになるまで削ります。
印刷する予定がある、ヘッダーに載せる、有料メディアに出す、といった場合には、その手間に見合います。製品が来期に方向を変えるかもしれないなら、1か月のワークショップは割に合いません。その場合は、平易なカテゴリーの一行を当面使い、ルートがはっきりしてから見直してください。
主張は一つ、ターゲットは一つ、案は30、テストは3つ。その条件を通過した一行なら、航海に出す準備ができています。